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『歴史評論』編集長つぶやきブログ(編集後記より)

                                                                                                                                                                                        お気軽にご意見・ご感想をお寄せください。

『歴史評論』第805号に寄せて

昨年11月の第50回大会の特に第1日目の議論に関わりますが、現在国会で「共謀罪」が審議されております。それゆえにか、一昨年、多くの憲法学者が違憲と断じた「安全保障法制」を、安倍政権とその与党が強行に成立させようとする中、「立憲主義」が新たにクローズアップされたことが思い起こされます。個人的には、本来「日本国憲法」のもとで成り立っている「日本国」に生きている私たちが、何故いまさら「立憲主義」を声高に叫ばなければならないのかという、何とも言えない嫌な感覚を拭いきれないでいます。

 自民党の改憲草案の問題性は色々と指摘されていますが、私なりに感じるのは、改憲草案を起草した自民党の方々は、西欧由来の「立憲主義」や基本的人権の尊重・主権在民などといった考え方そのものを受け入れたがっていないのではないか、ということです。

 かつて美濃部達吉の国家法人説は、右翼の攻撃に端を発する攻撃の結果、政府から弾圧されるに至りました。素人談義の域は出ませんが、「共謀罪」やら「教育勅語の教材化容認」という事態は、使い古された言い方ですが、そうした「かつて来た道」が着々と敷かれつつあることを示しているような気がしてなりません。
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『歴史評論』第804号に寄せて

50年前の4月、歴史科学協議会は産声をあげました。本号では、歴科協創立以来の活動の一つの柱である歴史科学運動に焦点をあて、その現在的状況を確かめつつ、今後の運動のあり方を展望していただきました。

 「特集にあたって」でも触れた「創立宣言」では、「(歴史学が)侵略戦争に反対し、アメリカ帝国主義からの独立をかちとり、軍国主義の復活を阻止し、民主主義を擁護」することを「歴史学に課せられた任務」としています。この半世紀前の「宣言」は、今なおその意義を失っていないと考えますが、同時に、歴科協創立の時に先輩たちが対決しようとしていた「帝国主義的歴史観」なり「歴史教育の反動化」が、半世紀の時を超えて、今なお私たちの前に立ちはだかっていることに暗然とした思いも抱かざるを得ません。

 現在の安倍晋三首相が、50年前の佐藤栄作首相の姪の子であるというのは歴史の偶然に過ぎませんが、情勢は益々厳しさを増しています。治安維持法の再来と危惧される「共謀罪」法案の国会上程も必至と見られる中、歴史学徒として何が出来て、何を果たさなければいけないのか。歴科協創立50周年を機に熟考・行動する必要があるのではないでしょうか

『歴史評論』803号に寄せて

2017年がスタートし、早くも1ヶ月が過ぎました。この一月の国内外の動きを見るだけでも、今年は、波乱の一年になりそうです。

 新たにアメリカ大統領に就任したトランプ氏は、その選挙公約を実現するため、難民受入の凍結など入国制限措置を実施する大統領令を矢継ぎ早に出しています。アメリカ国内のみならず、ドイツ・フランスなどの首脳からも批判の声があがっていますが、今のところ撤回しそうにはありません。貿易の問題なども含めて、暫く、トランプ氏によって国際社会が振り回される状況は続きそうです。

 国内に目を向けると、1月に召集された通常国会では、天皇の生前退位や「共謀罪」を巡って、看過することの出来ない議論が展開されそうです。特に「共謀罪」の導入は、それによって憲法に保障された人権が侵害されかねない惧れがあるだけに、私たちの運動面でも取り組みも必要になりそうです。

 さて、創立50周年の記念シンポジウムの骨格が定まりつつあります。本号103頁の会告を御覧下さい。創立の原点に立ち返り、現代歴史学の重要な課題として、天皇制や君主制の今日的問題を考える機会になればと思っています。

『歴史評論』802号に寄せて

 

 2017年を迎えました。この号が会員・読者の皆様のもとに届くのは、お正月気分も抜けた頃かと思いますが、新年、明けましておめでとうございます。皆様にとって、この一年が良き年となりますことを心からお祈りしております。


 ただ毎年のことですが、印刷会社の年末年始の休業をはさむため、「2月号」の編集作業は通常の号よりも早めの進行となります。この編集後記を書いているのも、まだ12月の中旬です。今朝の朝刊では日露首脳会談の見通しなどが大きく扱われ、『歴史評論』の編集委員会も年内にまだ予定されているような状況ですから、正直お正月気分には程遠いというのが実感です。

 とはいえ、歴史科学協議会にとって、2017年は、創立から50周年の記念すべき年になります。すでに、会員読者の皆様には何度となくお知らせして参りましたが、記念論文集や50周年記念誌を刊行するほか、記念シンポジウムを開催(時期が未定で申し訳ありません。6月下旬から7月上旬の土曜日に東京で開催の予定)することになっております。こうした取り組みを成功させるためにも、会員・読者の皆様の御助力を、改めてお願いする次第です。

 

『歴史評論』800号に寄せて

 800号の記念号をお届けします。偶然にも創刊70周年と重なり、また、来年の4月には、歴史科学協議会の創立50周年を迎えることになります。本号の編集や校正の作業を進める過程で、過去の『歴史評論』に掲載された様々な記事に接しましたが、それを通して、これまで『歴史評論』を支えて来られた先輩たちの思いを強く感じるとともに、叱咤激励を受けているような錯覚に陥ることもしばしばでした。

 3月には、編集委員の戸邉さんと一緒に、藤間生大さんのお宅を訪ねました。藤間さんは、創刊に積極的に関わっただけではなく、創刊号に「家族国家と労働者階級」という論考も寄せられています。藤間さんからは、お話の合間に、これまでの御自身の研究についての感懐が幾度となく語られ、100歳を超えてなお、研究への熱い思いを持続されていることに感激しました。

 800号を迎えましたが現在の『歴史評論』や歴科協に、課題がない訳ではありません。藤間さんなど先輩たちがそうであったように、また私たちも、いまの課題を解決しながら、『歴史評論』や歴科協を未来に伝えていかなければなりません。会員読者の皆様には、今後とも御支援くださいますように、お願いする次第です。

『歴史評論』799号に寄せて

台風の上陸が続いたり、天候も全般に雨がちで、秋とはいいながら、今一つすっきりしない毎日が続いています。

 すっきりしないことと言えば、9月に召集された臨時国会での安倍首相の所信表明演説の際に、演説中の首相の呼びかけに応じて、与党の衆議院議員がスタンディングオベーションを送ったと報じられました。個々の議員が、日々の職務に精励する海上保安庁・警察・自衛隊の職員に個人のやり方で敬意を表するというのであればともかく、それを国会の議場で時の首相の呼びかけに応じて集団で拍手を送るという形式で行ったというのですから、誇張ではなく戦慄すら感じました。安倍首相はその演説の中で臆面もなく改憲への意志も改めて明らかにしています。演説の中でも必要以上に中国への危機感をあおる指導者を戴く自民党の目指す「改憲」の行き着く先が、立憲主義とは程遠い「自民党改憲草案」であれば、「いつか来た道」という言葉が、警句以上の響きを帯びてきます。

 来月名古屋で開催される歴科協大会では、まさにその「改憲」の狙いを議論することになっています。多くの会員・読者の皆さんが、大会に参加されるよう、この場を借りて、お願いする次第です。

『歴史評論』798号に寄せて

 参議院議員選挙、東京都知事選挙と、7月は選挙が続きました。8月に入ると、リオデジャネイロ・オリンピックや高校野球の報道で、新聞やテレビは塗りつぶされた印象ですが、いくつか見逃せない出来事もありました。

 その一つが、生前退位に関する、天皇のビデオメッセージが公表されたことでした。天皇の譲位を巡っては様々な考えがあると思いますが、少なくとも現天皇の譲位については、報道される世論調査の結果などを見る限り、多くの国民が是と判断しているようです。政府がどのような対応をするかはまだ明確にはなっていないようですが、譲位を可能にするためには皇室典範の改正が必要ですから、議論の進め方如何によっては、女性天皇の容認も含め激しい議論が国会の内外で闘わされることになりそうです。

 インターネット上には、今回の天皇の意志表明は、安倍政権の改憲への動きに対する、文字どおりの「進退を賭けた」「抵抗」ではないかとの観測もあるようです。その是非はともかく、特定の家系に生を受けた方々に、その意志に関わらず、国制上の重責を自動的に負わせる君主制という仕組みそのものも、この機会に再考されるべきなのではないでしょうか。

『歴史評論』797号に寄せて

 7月10日に投開票された参議院議員選挙の結果、改憲を是とする勢力が、参議院の三分の二を超えてしまいました。憲法公布70周年を目前に、復古的な改憲草案を掲げる自民党を中心に、改憲発議が可能になったという事態は、深刻に受け止めねばならないでしょう。

 私が、初めて選挙権を行使したのは、消費税問題で自民党が大敗し参議院での単独過半数を失った1989年の参院選でした。しかし今回、自民党は参議院での単独過半数を回復してしまいました。あれから27年。89年夏の「熱気」がむなしく思い起こされます。約3年間の民主党政権があったとは言え、この間の日本は、一貫して「保守」(反動?)回帰にあり、現実化しつつある「改憲」もその延長上で考える必要があるように思えてなりません。

 いっぽう改憲を是認する各党の主張が一致している訳ではないので、今回の結果だけで一気に改憲発議まで進むかどうかは不透明とする論調も一部にはあるようですが、むしろ「加憲」などと嘯きながら、「緊急事態条項」を憲法に紛れ込ませようとしてくるかもしれません。こうした状況に歴史学の立場からどのように立ち向かえば良いのか。これまで以上に真剣に考えていく必要があるでしょう。

『歴史評論』796号によせて

 注目の参議院議員選挙は、6月22日に公示されました。この号が、皆様のお手元に届く頃には結果が出ていることでしょう。今回の選挙の最大の争点が憲法改正を発議できるだけの議席を政権与党とその同調者に与えるかどうかであることは自明で、当然ながらその結果は非常に気になるところです。

 しかしながら、安倍首相やその同調者たちは、「改憲」を正面から掲げない選挙戦術を採っており、また報道も、今回の選挙が選挙権の18歳以上への引き下げ後最初の国政選挙であることに偏っている感じがします。むしろこれからの社会を担う若い有権者に選択肢を提示するためにも、報道も含めてもっと憲法の問題が取りあげられるべきとの思いを禁じ得ません。

 イギリスのEU離脱が決まり、経済情勢も大きく変動し始めています。それが選挙結果にどう影響するかは分かりませんが、いずれにせよ、改憲が発議される状況を阻止できれば良いのですが、仮に、改憲勢力の議席数の合計が参議院の三分の二以上に達するような事態になれば、私たちの運動の進め方もこれまでと異なったものとならざるを得ないでしょう。そうならないことを祈りつつ、7月10日の投開票日を待っているところです。

『歴史評論』796号によせて

 注目の参議院議員選挙は、6月22日に公示されました。この号が、皆様のお手元に届く頃には結果が出ていることでしょう。今回の選挙の最大の争点が憲法改正を発議できるだけの議席を政権与党とその同調者に与えるかどうかであることは自明で、当然ながらその結果は非常に気になるところです。

 しかしながら、安倍首相やその同調者たちは、「改憲」を正面から掲げない選挙戦術を採っており、また報道も、今回の選挙が選挙権の18歳以上への引き下げ後最初の国政選挙であることに偏っている感じがします。むしろこれからの社会を担う若い有権者に選択肢を提示するためにも、報道も含めてもっと憲法の問題が取りあげられるべきとの思いを禁じ得ません。

 イギリスのEU離脱が決まり、経済情勢も大きく変動し始めています。それが選挙結果にどう影響するかは分かりませんが、いずれにせよ、改憲が発議される状況を阻止できれば良いのですが、仮に、改憲勢力の議席数の合計が参議院の三分の二以上に達するような事態になれば、私たちの運動の進め方もこれまでと異なったものとならざるを得ないでしょう。そうならないことを祈りつつ、7月10日の投開票日を待っているところです。

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