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『歴史評論』編集長つぶやきブログ(編集後記より)

                                                                                                                                                                                        お気軽にご意見・ご感想をお寄せください。

『歴史評論』803号に寄せて

2017年がスタートし、早くも1ヶ月が過ぎました。この一月の国内外の動きを見るだけでも、今年は、波乱の一年になりそうです。

 新たにアメリカ大統領に就任したトランプ氏は、その選挙公約を実現するため、難民受入の凍結など入国制限措置を実施する大統領令を矢継ぎ早に出しています。アメリカ国内のみならず、ドイツ・フランスなどの首脳からも批判の声があがっていますが、今のところ撤回しそうにはありません。貿易の問題なども含めて、暫く、トランプ氏によって国際社会が振り回される状況は続きそうです。

 国内に目を向けると、1月に召集された通常国会では、天皇の生前退位や「共謀罪」を巡って、看過することの出来ない議論が展開されそうです。特に「共謀罪」の導入は、それによって憲法に保障された人権が侵害されかねない惧れがあるだけに、私たちの運動面でも取り組みも必要になりそうです。

 さて、創立50周年の記念シンポジウムの骨格が定まりつつあります。本号103頁の会告を御覧下さい。創立の原点に立ち返り、現代歴史学の重要な課題として、天皇制や君主制の今日的問題を考える機会になればと思っています。
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『歴史評論』802号に寄せて

 

 2017年を迎えました。この号が会員・読者の皆様のもとに届くのは、お正月気分も抜けた頃かと思いますが、新年、明けましておめでとうございます。皆様にとって、この一年が良き年となりますことを心からお祈りしております。


 ただ毎年のことですが、印刷会社の年末年始の休業をはさむため、「2月号」の編集作業は通常の号よりも早めの進行となります。この編集後記を書いているのも、まだ12月の中旬です。今朝の朝刊では日露首脳会談の見通しなどが大きく扱われ、『歴史評論』の編集委員会も年内にまだ予定されているような状況ですから、正直お正月気分には程遠いというのが実感です。

 とはいえ、歴史科学協議会にとって、2017年は、創立から50周年の記念すべき年になります。すでに、会員読者の皆様には何度となくお知らせして参りましたが、記念論文集や50周年記念誌を刊行するほか、記念シンポジウムを開催(時期が未定で申し訳ありません。6月下旬から7月上旬の土曜日に東京で開催の予定)することになっております。こうした取り組みを成功させるためにも、会員・読者の皆様の御助力を、改めてお願いする次第です。

 

『歴史評論』800号に寄せて

 800号の記念号をお届けします。偶然にも創刊70周年と重なり、また、来年の4月には、歴史科学協議会の創立50周年を迎えることになります。本号の編集や校正の作業を進める過程で、過去の『歴史評論』に掲載された様々な記事に接しましたが、それを通して、これまで『歴史評論』を支えて来られた先輩たちの思いを強く感じるとともに、叱咤激励を受けているような錯覚に陥ることもしばしばでした。

 3月には、編集委員の戸邉さんと一緒に、藤間生大さんのお宅を訪ねました。藤間さんは、創刊に積極的に関わっただけではなく、創刊号に「家族国家と労働者階級」という論考も寄せられています。藤間さんからは、お話の合間に、これまでの御自身の研究についての感懐が幾度となく語られ、100歳を超えてなお、研究への熱い思いを持続されていることに感激しました。

 800号を迎えましたが現在の『歴史評論』や歴科協に、課題がない訳ではありません。藤間さんなど先輩たちがそうであったように、また私たちも、いまの課題を解決しながら、『歴史評論』や歴科協を未来に伝えていかなければなりません。会員読者の皆様には、今後とも御支援くださいますように、お願いする次第です。

『歴史評論』799号に寄せて

台風の上陸が続いたり、天候も全般に雨がちで、秋とはいいながら、今一つすっきりしない毎日が続いています。

 すっきりしないことと言えば、9月に召集された臨時国会での安倍首相の所信表明演説の際に、演説中の首相の呼びかけに応じて、与党の衆議院議員がスタンディングオベーションを送ったと報じられました。個々の議員が、日々の職務に精励する海上保安庁・警察・自衛隊の職員に個人のやり方で敬意を表するというのであればともかく、それを国会の議場で時の首相の呼びかけに応じて集団で拍手を送るという形式で行ったというのですから、誇張ではなく戦慄すら感じました。安倍首相はその演説の中で臆面もなく改憲への意志も改めて明らかにしています。演説の中でも必要以上に中国への危機感をあおる指導者を戴く自民党の目指す「改憲」の行き着く先が、立憲主義とは程遠い「自民党改憲草案」であれば、「いつか来た道」という言葉が、警句以上の響きを帯びてきます。

 来月名古屋で開催される歴科協大会では、まさにその「改憲」の狙いを議論することになっています。多くの会員・読者の皆さんが、大会に参加されるよう、この場を借りて、お願いする次第です。

『歴史評論』798号に寄せて

 参議院議員選挙、東京都知事選挙と、7月は選挙が続きました。8月に入ると、リオデジャネイロ・オリンピックや高校野球の報道で、新聞やテレビは塗りつぶされた印象ですが、いくつか見逃せない出来事もありました。

 その一つが、生前退位に関する、天皇のビデオメッセージが公表されたことでした。天皇の譲位を巡っては様々な考えがあると思いますが、少なくとも現天皇の譲位については、報道される世論調査の結果などを見る限り、多くの国民が是と判断しているようです。政府がどのような対応をするかはまだ明確にはなっていないようですが、譲位を可能にするためには皇室典範の改正が必要ですから、議論の進め方如何によっては、女性天皇の容認も含め激しい議論が国会の内外で闘わされることになりそうです。

 インターネット上には、今回の天皇の意志表明は、安倍政権の改憲への動きに対する、文字どおりの「進退を賭けた」「抵抗」ではないかとの観測もあるようです。その是非はともかく、特定の家系に生を受けた方々に、その意志に関わらず、国制上の重責を自動的に負わせる君主制という仕組みそのものも、この機会に再考されるべきなのではないでしょうか。

『歴史評論』797号に寄せて

 7月10日に投開票された参議院議員選挙の結果、改憲を是とする勢力が、参議院の三分の二を超えてしまいました。憲法公布70周年を目前に、復古的な改憲草案を掲げる自民党を中心に、改憲発議が可能になったという事態は、深刻に受け止めねばならないでしょう。

 私が、初めて選挙権を行使したのは、消費税問題で自民党が大敗し参議院での単独過半数を失った1989年の参院選でした。しかし今回、自民党は参議院での単独過半数を回復してしまいました。あれから27年。89年夏の「熱気」がむなしく思い起こされます。約3年間の民主党政権があったとは言え、この間の日本は、一貫して「保守」(反動?)回帰にあり、現実化しつつある「改憲」もその延長上で考える必要があるように思えてなりません。

 いっぽう改憲を是認する各党の主張が一致している訳ではないので、今回の結果だけで一気に改憲発議まで進むかどうかは不透明とする論調も一部にはあるようですが、むしろ「加憲」などと嘯きながら、「緊急事態条項」を憲法に紛れ込ませようとしてくるかもしれません。こうした状況に歴史学の立場からどのように立ち向かえば良いのか。これまで以上に真剣に考えていく必要があるでしょう。

『歴史評論』796号によせて

 注目の参議院議員選挙は、6月22日に公示されました。この号が、皆様のお手元に届く頃には結果が出ていることでしょう。今回の選挙の最大の争点が憲法改正を発議できるだけの議席を政権与党とその同調者に与えるかどうかであることは自明で、当然ながらその結果は非常に気になるところです。

 しかしながら、安倍首相やその同調者たちは、「改憲」を正面から掲げない選挙戦術を採っており、また報道も、今回の選挙が選挙権の18歳以上への引き下げ後最初の国政選挙であることに偏っている感じがします。むしろこれからの社会を担う若い有権者に選択肢を提示するためにも、報道も含めてもっと憲法の問題が取りあげられるべきとの思いを禁じ得ません。

 イギリスのEU離脱が決まり、経済情勢も大きく変動し始めています。それが選挙結果にどう影響するかは分かりませんが、いずれにせよ、改憲が発議される状況を阻止できれば良いのですが、仮に、改憲勢力の議席数の合計が参議院の三分の二以上に達するような事態になれば、私たちの運動の進め方もこれまでと異なったものとならざるを得ないでしょう。そうならないことを祈りつつ、7月10日の投開票日を待っているところです。

『歴史評論』796号によせて

 注目の参議院議員選挙は、6月22日に公示されました。この号が、皆様のお手元に届く頃には結果が出ていることでしょう。今回の選挙の最大の争点が憲法改正を発議できるだけの議席を政権与党とその同調者に与えるかどうかであることは自明で、当然ながらその結果は非常に気になるところです。

 しかしながら、安倍首相やその同調者たちは、「改憲」を正面から掲げない選挙戦術を採っており、また報道も、今回の選挙が選挙権の18歳以上への引き下げ後最初の国政選挙であることに偏っている感じがします。むしろこれからの社会を担う若い有権者に選択肢を提示するためにも、報道も含めてもっと憲法の問題が取りあげられるべきとの思いを禁じ得ません。

 イギリスのEU離脱が決まり、経済情勢も大きく変動し始めています。それが選挙結果にどう影響するかは分かりませんが、いずれにせよ、改憲が発議される状況を阻止できれば良いのですが、仮に、改憲勢力の議席数の合計が参議院の三分の二以上に達するような事態になれば、私たちの運動の進め方もこれまでと異なったものとならざるを得ないでしょう。そうならないことを祈りつつ、7月10日の投開票日を待っているところです。

『歴史評論』795号によせて

 間もなく公示される参院選は、一人区で進む野党間協力や、選挙権の18歳以上への引き下げなど、話題に事欠きませんが、安倍首相が目論んでいるとされる「衆参ダブル選挙」が実現するかどうかも気になるところです。

 個人的な思い出話になりますが、私自身が18歳だった30年前の1986年にも、衆参ダブル選挙が行われました。参議院の選挙が予定されていたところに、当時の中曽根首相が衆議院解散を強行し、ダブル選挙に持ち込んだのですが、結果はご承知のように自民党の圧勝でした。開票日と高校の期末試験の最終日が重なっていたのですが、試験が終わってなぜか出かけた体育教員室のテレビに自民党の圧勝を伝える番組が映っていて、次の日から返されるテストの結果と、その後の日本の将来とがオーバーラップして暗澹たる気持ちになったことを記憶しています。あれから30年。その「記憶」の故か、私には、あの選挙結果が、何らかの形で今日の政治情勢を齎した要因となっているように思えてなりません。

 いずれにしても7月の選挙は重要です。今度は歴史学の研究と教育に携わる一有権者として、あの時には果たしたくても果たせなかった意思表示をしたいと思っています。

『歴史評論』794号によせて

 私の勤務校でも、満開の桜に迎えられ、多くの新入生が入学してきました。例年この時期は、「卒業後は世界史の先生になりたいです」などと将来への意欲を語る一年生を前にするからか、こちらも若返った気分になるものです。

 そんな新学期に、熊本から地震のニュースが飛び込んできました。4月14日の夜の「前震」、16日未明の「本震」ばかりでなく、ひっきりなしに規模の大きい余震が続いています。この地震で命を落とされた方々に対し哀悼の意を表するとともに、怪我をされた方々をはじめ多くの被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。 


 本号は、歴科協大会の報告特集号です。阿部報告は、東日本大震災以降の被災地における、文化財レスキューや歴史資料保全活動を扱ったものです。今回の地震の直後に本号が刊行されることに奇縁を感じます。一方、菅官房長官は、この地震が「奇貨」とでも言わんばかりに、憲法に「緊急事態条項」を新設すべしと発言しています。震災すら政治利用しようとする狡猾さには、唖然としますが、こうした言動への正当な批判は勿論、今回の震災への対応を含めて、社会における歴史学の果たすべき役割が何か、今また問われているような気がしています。

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