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去る3月20日、昨年10月に逝去された犬丸義一さんを偲ぶ会が開催されました。西村汎子さんの「惜別の言葉」に始まった、縁のある方々からの犬丸さんの学問や運動への功績を讃えるお話は、あたかも、犬丸さんを軸とした戦後の史学史を伺っている趣きでもありました。歴科協や『歴史評論』の活動が、多くの先輩たちの努力のおかげで今日まで継続して来られたことを、改めて痛感したところです。
本号は、石母田正さんの特集号を編みました。本誌と石母田さんの関わりは創刊時に遡ります。その経緯は、本誌318号(1976年10月号)に掲載されている座談会「『歴史評論』創刊のころ」を御覧ください。その座談会によれば、新たな歴史雑誌刊行の話が持ち上がった1945年の終わり頃から、雑誌の名称について幾つかの候補が出され、その時、石母田さんは『祖国戦線』という名称を考えられていたとのことです。紆余曲折を経て誌名は『歴史評論』に落ち着き、民主主義科学者協会歴史部会の機関誌として刊行されることになった訳ですが、当時『祖国戦線』という誌名に込めた石母田さんの情勢判断にも思いを馳せつつ、私自身は、本号の編集作業を進めてきた次第です。
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