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筆者には、青木氏と親しく会話を交わした経験がありませんが、インタビュー記事掲載のお礼を直接お伝えする機会は、すぐにやって来るものと思っていました。その折りには、お礼かたがた、氏の出身大学に勤務する者として、氏の後輩たちの近世史の研究ぶりについてご報告させていただくつもりでした。
インタビューの中で氏は、「今回の東日本大震災から学んだ事柄から、福島県生まれの近世史研究者の端くれとして何をすべきかをお話します」と語り、最近の災害史研究のあり方に率直な苦言を呈されました。そのような青木氏から、奇しくもインタビューと同じ号の特集企画となった「災害と都市の比較史」の出来ばえについても感想をお聞きするつもりでした。
しかし、そのどれもこれも叶わぬこととなってしまいました。今後しかるべき方々がしかるべき形で青木氏の人柄や業績について語られるでしょうが、まずは個人的痛恨の念をこの覧に記したことをご容赦下さい。謹んで氏のご冥福をお祈りいたします。