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歴史学が世の中にとって意味のある学問であり続けるには、〝現在〟との緊張感を維持していくことが必要とされます。編集長を務めたこの二年間、『歴評』の編集にあたって念頭にあったのはこのことでした。編集幹事のS々木啓さん、編集実務のK谷幸裕さんをはじめ、編集委員の協力のおかげで何とか無事任務を終え、次の編集長・編集幹事に引き継ぐことができそうです。
任期を終えるにあたり、私の一押しの映画の台詞で、本欄での私の〝つぶやき〟を締め括らせてください。
その映画では、現実の世の中に失望した人びとが心地よい過去(実際のそれというより、恣意的に選択された過去)に溺れていき、やがてその過去のなかで永遠に生きたいと望むようになります。その結果時間の進行が止まり、未来はもう少しで消滅しかけるのですが、希望ある未来を生きたいと思う主人公の少年と、心地よい過去に溺れることの愚かさに気づいたその両親に向かって、現実逃避の世界を創出しようとした秘密結社のKは次のように言います。
「おまえたちが本気で二一世紀を生きたいなら行動しろ。未来を手に入れてみせろ。」
そのあと、未来を取り戻そうと行動した主人公の活躍は、涙なくして見られません。
事務のHです。O橋編集長の退任のあいさつでした。O橋さんには事務局長を3年、その後編集長を2年務めていただき、5年にわたり事務局を支えていただきました。今回の映画については、編集委員会後恒例の飲み会で熱く語っていただいたことを思い出します。次の委員会までに私と編集幹事のS々木さんもその映画を鑑賞し、また熱く議論したのでした。仕事以外にもそうした楽しい時間を沢山作ってくれる編集長でした。編集幹事のS々木さんは、どんなに大変な時でもそれを見せずタフに仕事をしてくださいました。楽しい冗談に励まされたこと、フォローしてもらったこと、数えきれません。お二人とも本当にお疲れ様でした。校正のK谷さんはもちろん、O橋さんもS々木さんも編集委員は継続されますので、今後もお付き合いいただきたいと思います。
さて、O橋さんイチオシのこの映画、タイトルがわかった方いらっしゃいますか?回答をお寄せください。正解した方には、何か素敵なモノを差し上げちゃいます。
最近、民意とは何をもっていうのだろうか、と考えます。今号の特集が念頭に置いている政治家はみな、新自由主義のもと格差を容認する態度をとるとともに、個性の尊重よりも組織の論理を優先させ、ナショナリズムを煽る言説を繰り返します。その結果、福祉を縮小し弱者を切り捨てる強者の社会を招来することは容易に想像できます。にもかかわらず、彼らは一定の支持を得ており、有権者の選挙によって選ばれた公人であることも事実です。とすれば、彼らが権力を行使するのは民の意志を反映したものだということになるのでしょうか。これには論理のすり替えがあると私は思います。有権者はさまざまな利権や立場を持つ人びとから成り立っているのであって、選挙の結果が直ちに民の意志であるとはいえません。この構造上の矛盾を解明するには、民とは何かという問題を突き詰めて考えてみる必要があるように思います。民とは具体的な誰かを指すのではなく、あらゆる枠組みを超えた、日々の生活を送る生活者という属性の一つと考えるべきだというのが私の意見です。そうした生活者の意志が尊重されるように、そして大政翼賛会の時代に後戻りしないようにとの願いを込めて、今号をお届けします。
男女雇用機会均等法が施行されたのは、私が大学四年生になったときの四月でした。当時は三年生から就職活動が始まるということはありませんでしたので、私たちはこの法律が適用された最初の世代ということになります。私自身はいっさい就職活動をしませんでしたから、この法律がどれほどの影響力を持ち得たのかはよくわかりません。漏れ聞くところによれば、求人広告には男女別の表示がなかったとしても、面談の場で女性を採用する予定はないと言われた、などということがあったと聞きました。当時のこの法律には罰則規定がなく、法律が制定されたからこそかえって性差別が見えにくくなった、という評価もあったように思います。その後の改訂を経て、性差を埋める努力はなお継続されてきておりますが、たとえば学校の保護者会ではやはり圧倒的に母親のほうが多いのが実際のところです。たまに父親が保護者会に出席したり食事の仕度をしたりするのは「偉い」と言われる一方で、母親がそのようには言われることはない
というのは納得がいかない、という妻の言葉は、まだまだジェンダーを克服したというにはほど遠い状況にあることを示している、ということなのでしょう。
ご無沙汰でございます。事務のHです。編集長は普段からガッツリ家事をされるそうですよ~。「家事はその時やれる方がやれば良いんです」と以前仰っていました。「歴評」編集委員の面々もそんな感じで、男性委員がみんなにお茶を淹れてくれたり、洗い物をしたり、時にはリンゴの皮むきまでも・・・とても良い感じです♪