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最近、民意とは何をもっていうのだろうか、と考えます。今号の特集が念頭に置いている政治家はみな、新自由主義のもと格差を容認する態度をとるとともに、個性の尊重よりも組織の論理を優先させ、ナショナリズムを煽る言説を繰り返します。その結果、福祉を縮小し弱者を切り捨てる強者の社会を招来することは容易に想像できます。にもかかわらず、彼らは一定の支持を得ており、有権者の選挙によって選ばれた公人であることも事実です。とすれば、彼らが権力を行使するのは民の意志を反映したものだということになるのでしょうか。これには論理のすり替えがあると私は思います。有権者はさまざまな利権や立場を持つ人びとから成り立っているのであって、選挙の結果が直ちに民の意志であるとはいえません。この構造上の矛盾を解明するには、民とは何かという問題を突き詰めて考えてみる必要があるように思います。民とは具体的な誰かを指すのではなく、あらゆる枠組みを超えた、日々の生活を送る生活者という属性の一つと考えるべきだというのが私の意見です。そうした生活者の意志が尊重されるように、そして大政翼賛会の時代に後戻りしないようにとの願いを込めて、今号をお届けします。