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今号も震災に関することを書きます。先月は、この震災を目の当たりにして、自然の力が人間の歴史を変えてしまう可能性を見た思いがすると書きました。自然が歴史に与える影響について、もっと注意が払われてもよいと確かに思います。それでも、歴史が自然の力だけに左右されるわけでは決してありません。自然災害には人為的な問題をともなうことが多く、被災した原子力発電所から漏れ出した放射能の問題は人災そのものです。これに関して様ざまな情報が飛び交い、人びとの生活に深刻な影響を与える風評被害を生んでいます。どの情報が正しくてどの情報が誤りなのか判断に迷う人も少なくありません。しかし、今回の騒ぎではっきりしたことがあります。それは何かを完璧に管理するということは不可能であるということです。完璧に管理されなければ危険な核兵器と原子力発電に象徴されるように、核時代の現代はあらゆることを管理しようとする時代であることはつとに指摘されています。国旗・国歌への服従を踏み絵とした愛国心の強要はその最たるものでしょう。原発事故をめぐる今回の騒動は、そのような管理志向の時代に対して、これでいいのかとの疑問を投げかけているように私には思えます。
(事務のHです。3月11日から2ヶ月半が経ちました。政府は原発の警戒区域の一時帰宅を認めましたが、近隣にお住まいの会員の皆さんはご無事でしょうか。お送りした『歴史評論』が、今わたしの手元に戻ってきてしまいました。どうかご無事でいらっしゃることをお祈りしています。編集長も書いている通り、このどさくさに紛れてか、思想の統制・管理を行おうとする動きがみられます。信教の自由を職務命令違反とすり替える強権的な条例には、どうしたっ
て賛同できません。)
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