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『歴史評論』編集長つぶやきブログ(編集後記より)

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特集「世界史論の現在」を読んで

いうまでもなく歴史学は過去の人びとの営みを明らかにする学問ですが、史料をもとに実証した事柄にはどのような意味があるのかという点については、全体を見渡すような広い視野が必要です。その枠組みをどのように設定するかは、歴史学を取り巻く社会状況や歴史学徒それぞれの問題関心によっても異なります。
近代に成立したにすぎない国民国家の枠組みを相対化し、一国史観を克服することが要請されて久しくなりますが、アジア史の文脈のなかで日本史を考えようというのはその一環でしょう。比較史をテーマとした国際シンポジウムも同じ意図から行われます。このようなスケールの大きな議論は広く世界を鳥瞰できるという意味で魅力があり、実際確かに一国史観を克服できる可能性を持っているものと思われますが、そのスケールが大きいだけにそこには落とし穴もあるような気がします。単に複数の国の問題を扱えば一国史観を克服できるというのは錯覚で、かえって国家の独善的な史観を補強する場合もあるのではないでしょうか。
それを回避するためには、どの時代、どの地域を扱うにせよ、生活者にとっての視点を常に念頭に置くことが大事なのではないか、と今号を読みながら私は考えました。
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